衣替えとは、季節ごとに衣類を入れ替える作業のことです。 適切な時期と正しい方法で衣替えをしないと、衣類に虫食い穴ができ、お気に入りの服が着られなくなる場合があります。 今回は、衣替えの必要性と適切な時期、防虫剤の選び方をご紹介します。 はじめて衣替えに挑戦する方は、各項目を参考にしながら試してみましょう。 目次[ 表示 ]衣替えとは?日本では平安時代から続く習慣のひとつ衣替えとは衣替えの必要性衣替えの正しいやり方~適した時期・注意点~夏用なら6月 冬用なら10月衣替えにおける注意点衣類に合わせた防虫剤の選び方防虫剤の種類と特徴防虫剤の使用における注意点まとめ衣替えとは?日本では平安時代から続く習慣のひとつ 言葉を見聞きした経験はあっても、必要性について深くまで理解している方が少ない衣替え。 ここでは、衣替えの概要と必要性をご紹介します。 衣替えとは 衣替えは、もともと中国の習慣のひとつであり、日本には平安時代ごろに伝わったと言われています。 当時の日本では、旧暦4月1日頃に着物を冬装束から夏装束へ入れ替え、10月1日には夏装束を冬装束へと入れ替える習慣がありました。 この頃は「更衣(こうい)」と呼んでいましたが、天皇の着替えを担当する女官の役職も同じ名前であることから、混在しないよう「衣替え」に変化したと言われています。 衣替えの必要性 衣替えの必要性は2つあります。 衣類をきれいに維持できる 衣類や持ち物の管理ができ、整理整頓ができる 衣替えをすることで、季節にあった服をいつでも着られるようになります。 「あの服はどこだったかな」「今日はあの服を着たかったのに」といったトラブルが減り、いつでもお気に入りの服をきれいな状態で着ることができます。 衣替えは、衣類に限らず帽子などのアイテムも整理するため、物の断捨離にも効果的です。 衣替えの正しいやり方~適した時期・注意点~ 衣替えは、季節外れの衣類をきれいに保つ以外にも、着たいときにすぐに見つかる点や、整理整頓できるなどのメリットがあります。 しかし、適した時期と正しい方法で進めなければ、虫食い穴が発生したりカビが繁殖したりするなど、大切な衣類を傷めてしまうことも珍しくありません。 ここでは、衣替えに適した時期と注意点をご紹介します。 適した時期と正しい方法を踏まえたうえで、大切な衣類を守る効果的な衣替えをしましょう。 夏用なら6月 冬用なら10月 衣替えに適した時期は、夏用の衣類に入れ替える場合は6月に、冬用であれば10月までに行いましょう。 いずれも、学校や会社の制服が入れ替わる時期に合わせることで、適期を誤ることなく衣替えできます。 なお、春と秋にも衣替えが必要なときは、4月には春服へ、9月には秋服へと衣替えすると良いでしょう。 衣替えにおける注意点 衣替えをするにあたっては、以下4つの項目に注意しましょう。 洗濯済みの衣類を収納する クローゼットなどの収納場所はあらかじめきれいにしておく 衣替えは天気の良い日に行う しまう衣類はよく乾かしてから 洗濯していない衣類を衣替えすると、クローゼット内に雑菌が繁殖し、虫食い穴ができたり臭いを発生したりする原因になります。 また、衣替え用の収納場所も、雑菌の繁殖を予防するため、きれいに掃除をしてから収納しましょう。 衣替えに適した天気は、できるだけカラッと晴れた日です。 洗濯済みで完全に乾いた衣類を、きれいにした収納場所に収納しましょう。 衣類に合わせた防虫剤の選び方 衣替えでは、防虫剤を使いカビや虫の発生を予防することが大切です。 しかし、防虫剤と一口に言っても、種類が豊富なことから、どれを選べば良いか迷う方も多いでしょう。 ここでは、防虫剤の種類と使用用途にあわせて、防虫剤における注意点をご紹介します。 防虫剤の種類と特徴 防虫剤の種類には一般的に4つあるとされています。 種類によって使用不可の衣類が決められているため、特徴・使用用途から衣替えに適した防虫剤を選びましょう。 種類 使用不可の衣類 特徴・使用用途 有臭 ナフタリン ラメ・金糸・銀糸塩化ビニール製品(バック・ベルトなど) 効き目がゆっくりと持続する。フォーマルウェア・雛人形などに適している。 樟脳 なし(金糸・銀糸・金箔には直接触れないように) 全ての衣類に使用できる。自然の芳しい臭気がある。袖・襟・裾の汚れが無いかチェックする。 ピレスロイド系 真鍮・銅が入っている物ボタンが付いた服 他の種類と併用できる洋服タンス・衣装ケースに適している。 無臭 パラジクロルベンゼン 合成皮革・ラメ・金糸・銀糸 揮散が早い。高温多湿の場所では溶けて染みになるので注意。 防虫剤の使用における注意点 防虫剤を使用するときは、ほかの防虫剤との併用を避けましう。 上表のように防虫剤にはそれぞれ特徴があり、併用すると防虫剤の効果が発揮しにくくなります。 また、含まれる成分によって衣類が変色する場合もあります。 収納したい衣類の特徴を上表から確認しながら、適切な防虫剤を選びましょう。 まとめ 今回は、衣替えの必要性と適した時期、正しい防虫剤の選び方をご紹介しました。 近年では、クローゼットが広く作られることが増え、衣替えをする機会そのものが減少しつつあります。 しかし、きれいな衣類を保ちたい方や、大切な衣類をいつまでも着続けたい方にとっては、適した時期に行うべき習慣と言えます。 本記事で紹介した防虫剤の選び方や注意点を踏まえながら、大切な衣類を虫食いやカビから守りましょう。